第36章 奇跡の予兆、の巻
何やら書類を手にして一番先に部屋に入ってきた若い先生が、興奮気味に僕を見る
僕は、ちょっとその勢いに圧されて引きながら(笑)答えた
「はい、僕ですけど………見ての通り、男ですが…?」
「見ての通りってのは、若干説得力に欠けますよ?」
「そう??」
「た、確かなんですねっ!!!?(汗)」
呑気に受け答えする僕らと対照的に、焦った様子の若いお医者さん
すると、その若いお医者さんを静かに押しのけて
後ろに立っていた偉そうなお医者さんが言った
「まだ、ハッキリとした事は言えませんが
この結果が事実なら、医学の常識を覆す大事件が起きたと言って良いでしょう」
「………どう言う、事ですか…?」
タダならぬ雰囲気でそう言うお医者さんに、恐る恐るそう訊ねると
偉そうなお医者さんは、ふうっと大きく息を吐いて
静かな
でも、ハッキリとした口調で言った
「良いですか、大野さん、落ち着いて聞いて下さいね
これは、まだ確定した事実ではありませんが…
…大野さん、貴方は
妊娠されている可能性が、あります。」
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