第35章 夢のあとのその先(後編)、の巻
.
お昼ご飯を食べた後
僕らはしばらくの間、楽しくお喋りをして過ごした
翔くんと潤くんは、頻りにラジコンヘリの話をしていて
潤くんの家の庭を、如何にしてレース場にするかについて語り合っていた
「ねぇ、そろそろ帰った方が良くない?」
ちょっと前から時間を気にし出した翔くんが
我慢しかねたのか、そう言って時計を見た
「そうだね、帰ろうか?」
僕も翔くんと同じように時計を見てそう言うと
振り向いて潤くんを見た
「そろそろ帰るね」
「ああ」
「んじゃあ俺車回してくるね!」
それから、翔くんが車庫から車を家の前の車道に回してくれて
玄関の外まで僕らを見送りに来てくれている潤くんと僕の元へ戻って来た
「じゃあな、智」
「うん、またね潤くん」
「どうもお邪魔しました!」
軽く挨拶を交わす僕ら
その自然さが、妙に嬉しくて
僕は、ちょっとした悪戯を思い付いた
「翔くん先に車行ってて?」
「うん、解った。
じゃ、松本君、また!」
「ああ、また」
翔くんは軽く潤くんに挨拶をすると、そのまま小走りに車へ戻って行った