第35章 夢のあとのその先(後編)、の巻
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「んん〜!可愛いのは智くんっ!!」
「えぇ〜?だって、僕にとっては翔くんが一番可愛くて格好よくて…」
「智くんっ!!////」(←また急に感極まって嫁に抱き付く撫で旦那)
「きゃっ!!」(←勢い余って押し倒される奥様)
「…だから、家帰ってからやれよ」
帰って来た早々にまたイチャイチャしだす僕らを見て
潤くんがため息混じりに呟く
「「「……」」」
ふと、三人の視線が交差する
「………プッ」
「…ふふ…///」
「あははははは」
「ぷはははは!!(笑)///」
「んふははは(笑)////」
「はははは、あははは(笑)」
誰からって訳じゃなく
顔を見合わせた僕らは、三人でお腹を抱えて笑い出した
それは、お愛想の笑いなんかじゃなくて
お腹の底から湧き上がる、愉快な笑いだった
ああ、良いな
友達って……良いな
僕は、お腹を抱えて爆笑しながら
暖かな幸せを噛みしめていた
ねぇ、潤くん
まださ……まだ
本当の本当は
貴方と居ると、胸がきゅうって苦しくなる瞬間があるの
でもね
こうして笑ってると
その微かな痛みが
すぅって……何処かへ行って消えてしまうんだ
潤くん
潤くん
その昔
僕の、全てだった貴方
大好きだよ……愛してる
貴方を………貴方との思い出を
……今でも、ずっと……
「はぁ〜、笑った笑った!
笑ったら腹減っちゃったな!!」
「櫻井くんは笑う前から腹が減ってたろ」
「へへへっ…バレた?(笑)」
「いや、自分で腹減ったって言ってたし(笑)」
「んふふ、ちょっと待っててね、直ぐ作るから(笑)」
僕は、また楽しそうに話し出す翔くんと潤くんをリビングに残し
買い物してきた材料を手に、パスタを作るべくキッチンへ向かった
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