第35章 夢のあとのその先(後編)、の巻
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(翔くん、潤くんとちゃんと話が出来たかなぁ///)
お買い物が済んで、潤くんのお家へ向かって歩きながら
僕は、ちょっとだけ翔くんの事が心配だった
(大丈夫だろうとは思うけど
翔くんってば、時々何キッカケなのって首を捻りたくなる様な事でパニクっちゃうからなぁ///)←旦那様の事を良く解っている奥様(笑)
「…………」
僕は、ちょっとした不安を抱きながら、到着した潤くんの家の玄関の前で立ち止まり
小さく深呼吸した
「……ただいま」
そおっと玄関の戸を開け中に入る
と
リビングの方から話し声が聞こえて来た
「………?」
楽しそうなその声に、何を話しているのだろうと思い
足音を忍ばせてリビングへ向かう
それから、こっそりと少しだけ扉を開けて中の様子を窺った
「あ〜それね!
家にもあるよ、智くんがテレビで見て欲しいって言ったから買ったんだ」
「そうなんだ?
んじゃあ今度来るとき持って来てよ
庭でレースしない?」
「おお!いいっすねぇ!
うちマンションだからさ、家ん中であんま飛ばせないんだよ!」
「………/////」
何やら楽しそうに話している翔くんと潤くん
僕は嬉しくなって、思わずにやけながら扉を開けた
「ただいまぁ!」
「あ、お帰り智くん♪」
「よう、お帰り」
僕が元気にただいまを言うと、翔くんと潤くんがにこやかにお帰りを言ってくれた
その表情は、二人とも穏やかで楽しげで
胸が、じぃんと熱くなった
「智くん今日のお昼ご飯なぁに?」
感動の余り泣きそうになってしまっていたら
翔くんがお買い物袋の中を覗き込んで言った
僕は、お買い物袋をリビングのテーブルの上に乗せると
中身を取り出しながら答えた
「すぐ出来るからパスタとサラダ!」
「やったぁ!パスタ!」
パスタと聞いて、ぐぃんと腕を突き上げ喜ぶ翔くん
(うふふ……かぁわい♡///)
そんな可愛い翔くんをチラリと横目で見てから
潤くんがちょっと呆れ加減で言った
「…櫻井くんさ、何でも“やったぁ”って言うんじゃないの?」
「その通り〜!かわいいでしょ?」
僕が自慢気に(笑)そう言うと、翔くんがムニッと僕の手を掴んだ
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