第35章 夢のあとのその先(後編)、の巻
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「…アンタで良かった…」
しばらくの間、黙って俺を見つめていた松本くんが漸く口を開いた
俺は、静かに語られる松本くんの言葉を聞き逃すまいと、じっとその眼を見詰めた
「………智を………
…幸せにしてくれて…
………良かった」
(幸せにしてくれて?)
「それは違いますよ!」
俺は、満面の笑顔で松本くんの言葉を訂正した
「俺が、幸せにして貰ってるんです!」
(そうさ!
俺は、智くんが居てくれるだけで幸せなんだ!
だから、幸せにしてもらってるのは俺の方なんだ!!)
何故か胸を張ってどや顔で(笑)そう言い切る俺を見て
松本くんが笑いながら言った
「アンタ…イイ男だな」
(え…?)
いい男だな?