第35章 夢のあとのその先(後編)、の巻
…ああ、潤くんとこんな風に笑い合うの、何時ぐらいぶりかな
…なんか、嬉しいな
そんな想いが、胸を満たす
それは、彼と愛し合ったあの日々のものと言うよりは
彼がまだ学生の頃
僕を一生懸命追いかけまわしていたあの頃の感覚に似ていた
(……でも、やっぱりちょっと違うよなぁ)
それはきっと、僕らがあの頃よりも大人になったから
…あの頃には知らなかった、色々な経験をして来たから…
「そういえば
一度夜中に電話してきた事があったろ?
結局要件を聞かず仕舞だったけど、何の電話だったんだ?」
「っんぐっ!!///」
何とも言い難い感慨に耽っている所にそんなコトを訊かれて
僕は、思わずカフェオレを吹きそうになって喉に詰まらせた
「…大丈夫か?」
「けほっ…ぅん……平気///」
僕は、心配そうに僕の顔を覗き込む潤くんから視線を逸らして
カフェオレのカップをテーブルに置いた
(…まさか、あの時のコトを言われるとは思わなかった(苦笑))
それは、僕がまだ潤くんと別れる前
翔くんと愛し合う様になって、このままではいけないと、その関係を清算しなくてはと悩んでいた時の事で
翔くんに、再三に渡って潤くんと別れて欲しいと言われていた僕が
夜中に独りで居る時に、潤くんに別れを切り出そうと電話をした時の事だった
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