第35章 夢のあとのその先(後編)、の巻
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(気にしないで、潤くん
もう、あれは過去の出来事なんだよ)
心の中でそう呟く
「…そうか」
でも、潤くんは相変わらず辛そうに顔を曇らせて
じっと、僕のコトを見詰めていた
その顔が、不意にふっと緩む
僕は、潤くんに切なげに見詰められ続けて
なんだか段々恥ずかしくなって来てしまった
「…なぁに?何か恥ずかしいからそんなに見ないでよ///」
「いや、智は何時まで経っても可愛いなと思って」
「…何だそれ」
僕のコトを“可愛い”と言う潤くんの表情は
さっきよりもずっと和らいでいて
僕も釣られて自然と笑みが浮かぶ
「本当にそう思ってんの。
お前は何時までも可愛いし、綺麗だし、色っぽい」
「何かどっかで聞いた台詞だね」
「そうだな」
自然と浮かんだ笑みが、笑いに変わる
僕は、潤くんと顔を見合わせて、クスクスと笑い合った