第35章 夢のあとのその先(後編)、の巻
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(………ニノと相葉ちゃん、もう、着いたかな)
翔くんがニノと相葉ちゃんを送る為に潤くんのお家を出てから
僕は、潤くんちのリビングのソファーで、のんびりカフェオレを飲んでいた
潤くんも、リビングのテーブルの前に座り、食後のコーヒーをゆったりと啜っている
(…なんか、嘘みたいに のんびりしてるなぁ)
昨日
ずっと胸に仕舞っていた想いを潤くんに告白した僕は
潤くんとこうして二人きりで部屋で居るのに
全く緊張もしなければ、変な意識をするコトもなかった
以前は
やはり何処かで妙に意識してしまうところがあったんだろう
潤くんの、この端正な横顔を見るだけで
なんとなく落ち着かない気持ちになっていた
(…それもこれも、翔くんのお陰だよなぁ///)
僕には、翔くんがいる
何時、何処にいても、何をしていても
翔くんは、僕を想っていてくれる
自惚れじゃなく、そんな確かな愛を感じれるから
…だから、僕は強くなった
「…なあ、智…
お前は櫻井くんが初めて相葉くんの店に来た時のこと覚えてるのか?」
そんなことを考えてぼんやりカフェオレを啜っていたら
潤くんが急にそんなコトを訊いてきた
(…翔くんが、初めて相葉ちゃんのお店に来た時…?)
…って、何時だっけか?(←笑)
(良く覚えてない……って言うか、確か潤くんの結婚が決まった時だったから……)
「全然覚えてないよ。僕かなり酔っぱらってたから」
「…そうだったな」
“かなり酔っ払っていた”と聞いて、潤くんの顔が辛そうに歪む
(…そりゃそうか…僕が酔っ払った原因作ったの、潤くんだもんね(苦笑))
僕は、出来るだけ何でもないって顔をして付け加えて言った
「ニノに聞くまで翔くんが相葉ちゃんの店に来てる事は知らなかったよ」
「……………」
潤くんは、それでもまだ難しい顔をしている
僕は、明るい調子のまま話を続けた
「相葉ちゃんのトコに行くのは、潤くんが居ない時か凄く遅くなる時だけだったし
何時も端っこに座って、たまに相葉ちゃんとオシャベリする以外は、一人でちびちび飲んでるだけだったから」
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