第35章 夢のあとのその先(後編)、の巻
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(やっぱり、松本くんは色々複雑なんだろうなぁ…)
俺は、智くんが作ってくれた、何時も通り激旨い朝ご飯をかっこみながら
先刻から哀愁を漂わせまくっている(笑)松本くんをちらちらと横目で見ていた(←怪しいから止めなさい)
(そりゃあなぁ…他の人と結婚して子供まで出来たってのに
それでも離すまいとしていた人が、目の前で他の男とイチャイチャしてたら
心中複雑なんてもんじゃないだろうけど…)
……て、言うか。
「ふぁほひふん、ほへほひひひほ!」
(※智くん、これ美味しいよ、と言っている)
何となく松本くんに申し訳ない心持ちで居たものの、智くんの作った朝飯の激旨さに耐え切れなくなった俺は
昨夜の摘みの残りで作ったと言うオムレツを
冬眠前のハムスターに負けず劣らない勢いで頬張りながら叫んだ
当然、口いっぱいに頬張った黄色い物体(笑)が辺りに飛び散る(←汚いから)
そんな俺を、智くんが困った顔をして笑いながら優しく窘める
「もう、翔くんったら!
お口に一杯の時は喋っちゃダメって言ってるでしょ?
大体、入れ過ぎだし(笑)」
言いながら飛び散った黄色い物体を片付ける智くん
それを見てニノがまた嫌なそうな顔をした
「子供かよ」
「おかあさんと、ダメ息子みたいだね!」
ニノの悪態を聞いて、俺と一緒に飯を食っていた相葉くんがわひゃわひゃ笑って言う
それを聞いて、智くんが可愛く反論した
「翔くんはダメ息子じゃないもん!僕の大事な旦那様だもん!」
「ぶはっ!!」
可愛く反論する智くんに過剰反応して、何時も通り“智くぅん♡”とかって言おうと思ったら
詰め込みすぎた飯が喉につっかえ咽せ返り
結果、口にあったものを見事に噴射してしまった(汗)
「汚ったねぇっ!!(怒)」
「あぁ…もう…(笑)」
激怒して飛び退くニノの隣で、のんびりと笑うと
智くんは俺が噴射した物体をまた片付け始めた
それを、哀愁王子(笑)が見て、更に哀愁を漂わせる
「…そんなの、嫌じゃないのか?」
「何で?嫌じゃないよ?」
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