第34章 夢のあとのその先(中編)、の巻
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「…………は?」
思いも寄らなかったであろう僕のセリフに
ニノの、わんこちゃんみたいに可愛い眼が、今度は驚きと戸惑いに揺れる
僕は、そのゆらゆら揺れるニノの瞳をじっと見詰めて微笑みながら言った
「だからね?僕、実はさ
ニノから翔くんを誘うように言われる前に、翔くんとデートする約束してたの」
「え…?」
「だからね?ニノ……ニノの所為じゃないよ?」
僕は、言いながらずっと握っていたニノの手を離して
代わりに細いニノの肩に手を置いた
「だって僕、ニノに反対されてても、翔くんとデートに行って……
……彼を、好きになってたから」
「……大野くん……」
僕の名前を呼びながら、ゆっくりと瞬きしたニノの目尻から
涙が一粒零れ落ちる
僕は、それを拭ってあげてから言った
「誰の所為でもないんだ……僕が翔くんと愛し合ってしまったのは
だって、そうなるのが運命だったんだもの」
「……運命?」
「うん、そうだよ」
僕は、ポロポロと涙を零すニノを
両腕でぎゅうっと抱き締めた
「……何時も、心配ばっか掛けてごめんね、ニノ……
だけどニノは、今も昔も変わらず、僕の一番大切な、大好きな友達だよ
……きっと、潤くんだってそう思ってる」
「大野くん///」
「Σきぃやぁあああーーーッ!!!」
僕に抱き締められたニノが、僕を抱き返したところで
キッチンの入り口から、耳をつんざく様な翔くんの叫び声がした
「しょ、翔くん?どうしたの?(汗)」
「ろぉしたのぢゃないよぅさとちきゅんッ!!
俺以外の男とらきあったりしちゃ、やらぁああーーーッ!!!(号泣)」(←既に出来上がっている模様(笑))
「むぎゅっ////」(←また旦那に抱き潰された)
「………女なら良いんすか。」(←超絶呆れ顔のわんこ)
「らめぇええぇえーーーッ!!!!(号泣)」(←嫁を抱き潰したまま号泣する撫で旦那)
「ふにゅ〜////」(←でも嬉しいらしい(笑))
「………あほくさ。」
ニノは、何時も通り泣きながら僕を抱き潰す翔くんと、翔くんに嬉しそうに抱き潰される僕を見て、フンと鼻で息を吐くと
そのまま作りかけのサラダを手に、リビングへ戻ってしまった(笑)
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