第34章 夢のあとのその先(中編)、の巻
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キッチンに入ると、ニノは何やら冷蔵庫の中を物色しているところだった
「……ニノ、手伝っても良い?」
「………別に、良いっすけど。」
僕が声を掛けると、ニノは冷蔵庫の中をゴソゴソやりながら
チラッと僕を見て答えた
僕は、そんなニノの隣にしゃがむと
潤くんちの冷蔵庫の中を覗き込んだ
「何つくるの?」
「さぁ……まぁ、サラダとか?」
「後は?」
「さぁ……適当に肉とか炒めます?」
「お肉かぁ、良いねぇ、翔くんお肉大好きだから♡
あ、相葉ちゃんは?」
「……やつも肉食っすよ。」(←肉食て(笑))
「そっかぁ、んじゃあニノはサラダ作って?
僕お肉炒めるからさ」
「……解りました」
ニノは、何だか冴えない感じで受け答えをすると
サラダ用の野菜を冷蔵庫から取り出してシンクに運んだ
「……ねぇ、ニノ」
僕は、自分もオツマミに使う材料を冷蔵庫から取り出しながらまたニノに声をかけた
ニノは、今度は僕の方は見ないで野菜を洗いながら「なんすか」って小さな声で答えた
僕は、取り出した食材をまな板の上に置いて、野菜を洗うニノの横に、ピッタリとくっ付いて寄り添った
「うん、あのさ
僕がさ、翔くんと知り合った時のこと、覚えてる?」
「ああ、あんたが雅紀んとこで酔いつぶれて、んで、櫻井さんに自宅まで送ってもらったとか言う…
…あの時の話しっすか?」
ニノが、サラダを作る手を止めずに言う
僕も、ニノにくっ付いたまま下拵えをしながら話しを続けた
「うん、そうそれ(笑)
…あの次の日さ、ニノ、心配して電話して来たじゃん?僕に」
「しましたよ、確かに
てかするでしょうよ普通に心配だし」
「普通に?(笑)」
“普通に心配”と言うニノの顔を笑いながら覗き込んだら
ニノが、すました顔でチラッと僕の顔を見た
「そうですよ、心配して当たり前でしょうが
可愛い可愛い俺の大野くんが、撫で肩なんかに送り狼されたんじゃないかって
気が気じゃありませんでしたからね」
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