第34章 夢のあとのその先(中編)、の巻
.
「……ニノ、もしかして……僕が潤くんと別れたの自分のせいかもとか、まだ思ってたりするのかな?」
僕は、何だか機嫌が悪そうな顔をしてキッチンへ去って行ったニノの背中を見ながら、思わずぽつりと呟いた
それを聞いて、翔くんが首を傾げる
「え?どう言うこと??」
僕は、翔くんの腕に絡みついたまま、相葉ちゃんに注いでもらったテキーラをひとくち飲んで答えた
「うん…実はさ、ニノにさ…
…僕、翔くんと浮気しちゃえなんて言われたことがあって…」
「えっ!?(汗)」
「…勿論、ニノだって本気でそんなこと言った訳じゃないんだと思うよ?
そんなコトは始めから解ってるし
それに、僕、ニノに言われる前に翔くんとデートの約束してたしさ
…でも、ニノは僕が翔くんに本気になっちゃったのが、自分がけしかけた所為もあるんじゃないかって思ってるみたいで…」
「……そうだったんだ」
「……うん。」
僕は、テキーラをちびちび飲みながら
キッチンの方をじっと見つめた
(でも…気にしてて当然だよね…)
ニノは、潤くんとは僕よりも古い付き合いだった
「潤くん以外の学生時代の友達なんて、みんな“モドキ”っすから」
って言うくらいに
ニノは、潤くんと仲が良かった
だから、そんな潤くんを、僕が裏切ってしまうように仕向けてしまったことを
悪ぶってる癖に真面目なニノは、少なからず後悔しているんだろう
(ニノの所為じゃないのにな…)
実際、さっき翔くんに言った様に
ニノにけしかけられる前に、僕は翔くんとデートの約束をしていた訳で
決して、ニノに言われたからそうした訳では無かった
(ちゃんと、言った方が良いよね?やっぱり…)
僕は、ちょびっとずつ飲んでいたテキーラのグラスをテーブルに置くと、翔くんの顔を見上げた
「翔くん、僕もニノを手伝ってオツマミ作ってくるね?」
「うん、解った!」
「おーのくん、よろしくぅ〜♪」
「うふふ…二人は、ゆっくり飲んでて良いからね(笑)」
僕は、既に結構お酒が進んでいる翔くんと相葉ちゃんにそう声をかけて
キッチンへ向かった
.