第34章 夢のあとのその先(中編)、の巻
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智くんがやっとお買い物から帰って来てからしばらくの間
俺と智くんは何時ものアレに興じていたのだけれど
何時までも続くアレに我慢が出来なくなったらしいニノに、強制終了させられた
で、その後
んじゃあそろそろ酒盛りを始めますかって話になったのだが
松本くんは
「じゃあ俺はさとしを実家の嫁さんに預けてくるから、適当に始めててよ」
と言って、本日実家にお泊まりの予定の奥さんのところへさとしくんを連れて行ってしまった
智くんは、さとしくんが居なくなってしまって、ちょっと残念そうな顔をしていたけど
まあ
これから酒盛りが始まるんだから、父親としては当然の計らいだったとも言える訳で
「しょうがないよね……準備はじめよっか?」
って、残念そうな顔をしながらも一応納得して酒盛りの準備に取りかかった
(……まぁ、それだけが理由じゃなかったのかも知れないけどさ)
きっと、松本くん的にはイチャイチャする俺らを見るのは辛いのに違いない
だから、俺らの何時ものアレにあてられて、少しでもこの場を離れたかったと言う気持ちもあったのだろう
…でも、コレが俺らだから…
普段の自分をちゃんと見せたいって思っている智くんの為にも
松本くんには酷かも知れないけど、普段通りにしようって、思ったから…
(俺の情け無いトコも、智くんとの他人が見たら脱力しそうなやりとりも
全部、知ってもらわないと……友達になんてなれないもんな)
俺は、智くんが買ってきたおつまみを適当に皿の上にあけながら、ぼんやりそんなコトを思っていた
「あ、なんだこれテキーラじゃん!」
と、智くんが買ってきた酒を買い物袋から出していたニノが、その中の一本を見て顔をしかめた
それを見て、テーブルにグラスを並べていた智くんがニコニコ笑いながら言った
「あぁ、それね
瓶がキレイだったから買っちゃったの♪」
「キレイだから買っちゃったのじゃないよ!これしかもめっちゃ強いやつじゃん(汗)」
「え?そうなの?」
相変わらず顰めっ面をして手に持ったテキーラのボトルを見ているニノの隣にすすっと並んで
智くんがそのボトルを覗き込んだ
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