第34章 夢のあとのその先(中編)、の巻

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(………そうかも知れない)



潤くんに“残酷なやつだ”と言われて、確かにそうかも知れないと思う



あんなにも愛し合って

あんな風に別れてしまったのに


それを全部過去の想い出にして友達になりたいなんて……都合が良すぎる



(……考えたら、潤くんと関係を持ったのだって、自分勝手な都合があったのも確かだしな……)



だって僕はあの時

…潤くんが僕を迎えに来て、彼のマンションへ連れて行かれた時



ずっと恋い焦がれていた彼に抱かれたい気持ちの中には

確実にあの悪夢を払拭したいという想いも含まれていたのだから…


…僕は、潤くんを

潤くんのカラダを、あの悪夢を忘れる為に利用したんだ…



(……だから、なおのこと潤くんがこの傷のコトで気を病む必要なんかこれっぽっちもないんだ)



「………」



僕は、潤くんに気付かれないように、小さく深呼吸すると

またちょっと悪い顔を作った



「そうだよ…僕はね、悪魔なの……

……潤くんと、おんなじ」

「…俺も悪魔なの？」



僕の言葉に、片方の眉を上げて怪訝な顔をする潤くん

僕は、悪い顔をしたまま答えた



「そうだよ…僕らはね…おんなじなの」



僕がそう答えると、潤くんは怪訝そうな顔を緩めて甘く微笑んだ



「お前が悪魔なら、世界中悪魔で溢れてるよ」



(……悪魔で溢れてる？)



潤くんのやたらに格好いいセリフ(笑)を聞いて、ふと翔くんの顔が頭に浮かぶ



(…例え、世界中が悪魔だらけだとしても、翔くんだけは違うもん///)



僕は、愛しい旦那様の顔を思い浮かべながら笑って言った



「んふふ…僕の翔くんは天使みたいな人だよ？」

「…結局のろけかよ」



そう言ってまた怪訝な顔をする潤くんは


…凄く、寂しげだった…




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