第33章 夢のあとのその先(前編)、の巻
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(あぁ、可哀想な智くん…
やっぱり子供が産みたいんだね?
妊婦さんになりたいんだね!?
マタニティードレスとか着たいんだねっ!!?)←違うと思う。
俺は、智くんの「赤ちゃんが産みたい」発言を受けてパニックを起こしながら
ガクッと項垂れた
(……でもなぁ……智くん、完全なる男だし(←笑)俺も、紛おうコトなく男だし…
…どうやったって、子供は出来ねぇよなぁ)
人工授精するにしたって、精子と精子では子供は出来ない
かと言って
赤の他人の卵子を頂いた場合
どっちの精子と授精させりゃ良いんだか解らないし…
…第一、智くんには授精した卵子を育てる子宮が無い。
(………無理だろ………どう考えたって無理だろうよ……)
そんなコトを考えて嫌って位に肩を落としていたら
騒ぎすぎて疲れてしまったのか、何時の間にかに寝てしまったさとしくんの寝顔を見ながら
ニノがボソッと呟いた
「なんかさぁ…この子、大野くんに似てない?」
(………………え?)
言われてさとしくんの寝顔をガン見すると、それは確かに智くんの無垢で超絶可愛い寝顔とクリソツだった
(……………え!?(汗))
智くんにクリソツだってことは…
「…まさか…!!」
「…大丈夫、翔くん。僕、どんなにガンバッても、赤ちゃん出来ないから」
よもや、さとしくんの本当の母親は智くんなのではと焦る俺を見て、智くんが淡々とした口調で言う
それを受けて、相葉くんがニノに並んでさとしくんの寝顔を覗き込みながら言った
「おくさんが、おーのくんにニテるんじゃない?」
(あ、そうか、そう言うことか…(汗))
考えたら、松本くんが選んだ人(正確には選んだと言うよりは選ばれたんですが(笑))なんだから
奥さんが智くんに似ていたって、特別不自然な事ではないし
寧ろ、そう考えるのが自然だろう
…なのに、俺ときたら…
「…………」
俺は、肩を落としたまま、智くんをチラッと見た
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