第6章 浮気は男の甲斐性? の巻
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「…何だったのかな?」
早く帰れるって報告する為に智くんに電話をしたら、イキナリ“たすけて”なんて言われて
んで、超焦ってたら、これまたイキナリ電話が切れちゃうし
そんで、どうしたら良いんだか解んなくって闇雲に駅まで走ってたら、今度は智くんから電話が来て、何でもないって言った
「…何でもナイ訳ないよな?」
どう考えても、あの“たすけて”は本気だった
「…取り敢えず、早く仕事を終わらせて智くんとこ行こう」
俺は急いでぶっちょに頼まれた仕事を済ませた
「……でけぇ」
教授の家は“お家”ってよりは“お屋敷”って言った方が正しいだろうってくらいデカかった
(何気に智くんって、俺と付き合う前はセレブとばっか付き合ってるよな)←今頃気付きましたか(笑)
“お屋敷”に圧倒されつつ仰々しい呼び鈴を鳴らす
『はぁーい!翔くん?鍵開いてるから入って』
インターフォンから智くんのプリティーボイス
「うん、解った」
玄関に入ると、奥からパタパタ可愛い足音を響かせて智くんが出て来た
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