第33章 夢のあとのその先(前編)、の巻
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「………ふぅん」
村上は俺の話を聞いて、相変わらず複雑そうな感じで、いい加減に相槌を打っている
俺は、弁当箱の蓋を閉じると、そんな村上の方へ向き直った
「………おかしいか?」
「ん?何がや」
「そんなの……元恋人同士が、そんな風に思うのが……
……それを、普通に容認する俺が」
「別に、おかしい事は無いんやないか?
まあ、俺は櫻井くんの境地には達せられへんとは思うけどな(笑)」
「……そうか」
「けど
そんな櫻井くんやから、智くんはずっと一緒に居りたい思うたんやろなぁ、思うで。」
「……そうかな」
「そうや
それだけは自信持って言えるわ(笑)」
「……そっか……ありがとう」
「いやいや、そんなお礼は現金やなくてもええで!!」(←笑)
「……お前はな(怒)」
真面目に話していたと思ったら途端にふざけ出す村上を一睨みすると
村上はガハガハ笑いながら俺の肩をポンポン叩いて(多分う◯こをしに(笑))オフィスを出て行った
「…………ありがとな」
俺は(多分う◯こをしに行った←しつこいから)村上の背中を見送って、もう一度お礼を言った
(……なんか、ちょっとスッキリしたな(笑))
自分でも、何故突然に智くんと松本くんの込み入った事情(笑)を村上なんかに(←なんかにて)話してしまったのか解らなかったけれど
きっと、自分の胸の内を誰か関係の無い第三者に聞いて貰いたかったのかも知れないと思った
(…おかげで、本当にちゃんと話せる様な気がして来たよ
松本くんと…ちゃんと腹を割って、男同士の話が…さ)
あんなヤツでも役に立つんだから、やっぱバカとハサミは使いようってヤツだよな
なんてちょっと恩知らずなこと(笑)を思いながら
俺は弁当箱を鞄の中に仕舞った
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