第33章 夢のあとのその先(前編)、の巻
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(………だけど………
……本当に、嬉しかったなぁ……
……潤くんが僕を、迎えに来てくれた時は………)
僕は、ビールの入ったグラスを片手に持ったまま
船をこぎ始めた愛しい人の横顔をちらりと見た
(………翔くんに、プロポーズされた時も、凄く……すんごぉーく嬉しかったけど////)
だけど、同じ『嬉しい』でも
なんだか質が違っていた気がする
潤くんと再会した時の『嬉しい』は
胸が苦しくなって押しつぶされそうな喜びだった
でも
翔くんにプロポーズされた時の『嬉しい』は
胸に、じわぁ〜っと暖かな温もりが広がる様な
そんな喜びだった
(んん〜………あの頃も幸せだったけど………やっぱり、今の方が幸せかなぁ/////)
僕は、そんなコトを思いながら
今にも落っこちそうな翔くんの手の中のグラスを取ってテーブルの上に乗せた
「……んにゅ?」
グラスを取り上げられた翔くんが、目をしばしばさせながら変な声を出す
僕は、そんな可愛い旦那様の腕にキュッと抱き付いて
ちょっと甘えた声を出した
「んふふ……起きた?」
「ふぇ?……あ、俺今寝てた??」(←寝落ちしていた意識が無いらしい)
「寝てたよぅ〜、僕を放ったらかしてぇ///」(←超絶甘えん坊モード(笑))
「Σひぃゃあぁああーーッ!!智くんが激可愛いッ!!!////」(←寝起きで雄叫ぶ撫でぃ)
「んにゃあ〜ん♡」(←超絶甘えん坊モードなので、抱き潰されて色っぽい声を出す奥様)
「Σひぃいいーーッ!!智くん、くわわぃいいいーーーッ!!!!////」(←てか、本当に寝起きっすか?)
「きゃー♡////」(←でも超嬉しそう(笑))
僕は、寝起きなのに超元気な旦那様に速攻で抱き上げられて、寝室に連行(笑)されながら
潤くんには申し訳ないけど
やっぱり、今が一番幸せだなぁって
そんな事を、思っていた
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