第33章 夢のあとのその先(前編)、の巻
.
ずっと、そうして欲しいと願っていた
多分
教授の元に居た頃から、ずっと…
その夢が叶って
僕は、正に天にも昇る気持ちだった
しかも潤くんのセックスは
想像以上に激しく
尚且つ
強烈な快楽を僕に齎した
こうして、再会と同時に潤くんのものになった僕は
そのまま潤くんのマンションで一緒に暮らす事になった
そして、彼とのセックスは
あっと言う間に…
…まるで麻薬の様に、僕を虜にしてしまった
結果
僕は、彼とのカラダの関係に溺れ
やがてそれが僕の生活の全てになってしまったのだった
それも今になって思えば
僕と潤くんの愛は、初めから正常なカタチでは無かった様な気がする
何故なら
潤くんは、僕を二度と失うまいと、異様なほどに僕を束縛していたし
僕は僕で、過去の忌まわしい記憶から逃れようと、潤くんとのセックスに溺れ、依存していた
つまりは
潤くんも僕も、それぞれに違う恐怖に駆られて、お互いを異常なほどまでに求めていたと言って良いだろう
だから
2人とも、そう言った意味で
初めからすれ違っていたとも言えるかも知れない
そんな、危うさの上に成り立っていた僕と潤くんの幸せは
潤くんの結婚によって
呆気なく崩れてしまうのだった
その頃から
僕と潤くんの間には目に見えない溝が生まれ
何時しか気持ちがすれ違い空回りして
…そして、潤くんとそんな壊れ掛けた生活を、ただ流されるままに過ごしていた
そんなある日
僕は、翔くんに、出逢ったのだ
.