第32章 迷惑な新人くん、の巻
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「…ん、んっ、…」
「…智……愛してるよ…」
翔くんが僕だけのものだって、証明してだなんて
そんな、恥ずかしい事を言った僕を、タクシーに乗せて家に連れ帰った翔くんは
車内では、一言も何も言わずに
ずっと僕をしっかり抱き締めて
ずっと僕を見詰めてほほえんでいた
「……あぁ、僕、も……あぃ、してる……」
「智、俺の智……俺の全ては、君だけのモノだよ」
そうしてたどり着いた僕らの家で
翔くんは、家に上がるなり僕を抱き上げると
腕に僕を抱いたままキスをして
…そのまま、寝室へ向かった
「…しょお…僕の、しょお…///」
「そうだよ、智……俺は、君のモノだ」
何時も通り、優しく僕をベッドに下ろして
何時も以上に、優しくキスをしながら
翔くんが、僕の服を脱がして行く
そして、絶え間ない口付けの雨の合間に
甘く、優しく、僕への愛を囁く
「…しょお、愛してる……僕の、しょお…」
「…智……本当に君は可愛いね……愛してるよ、智……大好きだ」
優しいキスと甘い言葉で僕をとろとろにして
翔くんが、僕の中にそっと手を忍ばせる
そしてゆっくりと
その揺るぎない愛を注ぐための準備をする、翔くんの優しい指先が
僕の中を柔らかく撫でる
「…あぁ、しょお……他の、ヒトに……こんな、コトしちゃ……絶対イヤだから、ね…///」
「何言ってるの、智……そんなコトする訳ないでしょ?」
「でも、だって……翔くん、もてるから///」
「…いくらモテようが何だろうが、そんなの関係ないよ」
「あっ、…ん////」
優しい指先が僕の中から引き抜かれ
代わりに、愛する貴方の熱があてがわれて
甘い甘い口付けが、僕の唇を包んだ
「…ん……ふぁ////」
「俺のカラダはね、智くん以外には欲情しないように出来てるの
…君を初めて抱いた瞬間から、そうなっちゃったんだよ?」
「……うそつき///」
「嘘じゃないさ、本当だよ?」
「んんっ、……ん、…はあ////」
何だか恥ずかしくて、まだ拗ねているフリをする僕の中に
貴方がゆっくりと腰を沈めて行った
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