第32章 迷惑な新人くん、の巻
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「しょ……翔くん?///」
「さぁああ〜〜〜としくぅうう〜〜〜〜んッ!!!!////」
「Σわっ!?///」
ビックリして振り向いたら、その姿を確認する間もなく、声の主に抱きしめられた
そして、僕を抱きしめたその人の……翔くんの頬が、涙に濡れた頬の頬にスリスリと擦り付けられる
「智くんごめんねぇ〜〜っ!!泣かないで……泣かないでぇえっ!!!(号泣)」
泣かないでって言ってる翔くんは、僕以上に泣いていて
…なんだかその姿に…
僕の事を心配して、必死になって……わんわん泣いている翔くんのその姿に
僕の涙が引いて行く
(……翔くん……来てくれた///)
泣きながら僕を抱き締める翔くんの後ろに、あの男の子の姿は無かった
…翔くんが、他の男の子とキスしてたのは、凄いショックだったけど
でも…翔くんの僕を抱き締めた腕から…止めどなく流れる涙から…
なんか、僕の事を好きだって言ってる声が聞こえる気がして
…もう…それだけで十分だった
……けど。
「…………離して。」
僕は、嬉しいクセに不機嫌な顔を作ると、僕をぎゅうぎゅう抱き締めた翔くんの体を押し返した