第32章 迷惑な新人くん、の巻
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それからその日は、一日中中島くんが俺にべったり張り付いていて
アレは何ですか、これはどうするんですかと、事細かに訊いてきた
俺は、まあ最初が肝心だしなぁ、なんて思いながら
中島くんの質問に一つ一つ丁寧に答えてあげた
「今日は有り難うございました!
まだまだ解らない事ばかりですが、櫻井さんのお陰で凄く勉強になりました!!///」
一日の仕事を終えて、いつも通り速攻で帰ろうとしたら
中島くんが俺を捕まえて深々とお辞儀をした
「いや、良いってそんなの
今日はお疲れ様。じゃ、また明日な」(←早く帰りたい(笑))
「あのっ!!///」
言いながら去ろうとする(笑)俺の腕を捕まえて、中島くんがまたあの上目遣いをした
「あの……今日のお礼とお近付きのしるしに、今晩付き合っては頂けませんか?///」
「……へあっ?」
もう、速攻で帰る気満々だった俺が、思わず素っ頓狂な声を上げると
中島くんが子犬の様にうるうると瞳を揺らしながら更に上目遣いをした