第31章 虹の向こう…、の巻
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智くんが、松本くんとその息子のさとしくんを家に呼びたいと言った、翌週の日曜日
松本くん親子が、我が家にやって来るコトになった
まあ、自分で好きにすれば良いと言った手前、今更ダメだとは言えない訳なんだけれど
本当の所を正直に言えば、俺的には、我が家にその二人を招き入れ
尚且つ
自分もその場に同席すると言うのは、余りいい気持ちがしなかった
とは言え、松本くんにはエロハゲ橋(←ギャラリーの店長の高橋さんの事です(笑))の一件でお世話になったのは事実だし
苦手だと言っても、さとしくんはまだ2歳の幼児な訳だし
その訪問を快く思わないのは、やっぱり如何なものかとも思うし
第一に、智くんがその二人と居る密室に自分が居ないことの方が堪えられない気がするし…(←気がするんでなくて確実に気が狂います(笑))
んで
俺は仕方なく、表面上はそれなりに二人の訪問を快く思っている顔をしてその日を迎えた
─ピンポーン
「あ、潤くんたち来たみたい!
はぁ〜い!!///」
その日の昼過ぎ
約束の時間のきっかり五分前に玄関の呼び鈴が鳴って
智くんは待ちかねた来客に喜び勇んで玄関へ走って行った
俺は、その背中を緊張を隠して新聞を読んでいるフリをしながら横目で見送った
─ガチャ
「いらっしゃい、潤くん、さとしくん♡」
「よう、久しぶりだな……智」
「こーんちゃ、しゃとち!」
「きゃーっ!さとしくんおっきくなったねぇ♡///」(←速攻でさとしくんを抱き上げるさとち)
「しゃとちぃ♡」(←早速さとちに甘えるさとしくん)
「さとしくん♡」(←そのさとしくんとほっぺとほっぺをスリスリしているさとち)
「…………俺は放置か。(苦笑)」(←父、蚊帳の外(笑))
「あぁ、ごめんね潤くん
さ、どうぞあがって♡」
智くんはご機嫌でそう言うと、さとしくんを抱っこしたまま
Wさとし(笑)に放置されて不機嫌そうな顔をしている松本くんに、スリッパを差し出した
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