第31章 虹の向こう…、の巻
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「………最近ね、悪い夢をみなくなったの」
夕飯の途中で、何時ものヤツ(笑)に突入してしまった後
ちゃんと最後まで夕飯を食べて、2人でお風呂に入った
それから、のんびりとした時間を過ごしてから、就寝のために入ったベッドに寝転んで、翔くんの腕枕に甘えながら
僕は、昼間の物思いの話を切り出した
「そうなんだ」
「…うん」
翔くんは、それがどんな悪い夢なのかは訊ねずに、優しく微笑むと
僕の頭を撫でてくれた
「…きっと、うんと幸せだからだね、僕が…今」
「そっか」
「うん…そうだよ」
「そっか…良かった」
きっと、翔くんには解っている
僕が見なくなった『悪い夢』が、どんな夢なのかを
でも
翔くんはそれを掘り下げて問いただしたりなんかはしない
ただ、優しく微笑んで
優しく、僕の頭を撫でてくれるだけ
…それだけ。
(…そんな貴方の傍にいるから…僕は、あの悪夢を見なくなったんだね///)