第31章 虹の向こう…、の巻
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潤くんが結婚する前は、どんなに遅くなっても、潤くんは必ず僕がいる自宅へ帰って来てくれていた
でも、当然の事だけど
潤くんは結婚した後、毎日僕の居るマンションには来てくれなくなった
それなのに潤くんは、僕に出来るだけ外に出ない様にと命じて
しかも、仕事はおろか、バイトすることも許してはくれなかった
だから僕は、何時も暇を持て余して
…なにをする訳でもなく、ただぼんやりと一日を過ごしたりしていたのだ
(たまに外で絵を描いたりしてたけど、雨だと外で描けないし…梅雨はホント嫌いだったなぁ)
僕はため息をつきながら立ち上がると、冷蔵庫から作り置きしておいたコーヒーと牛乳を取り出してコップに注いだ
(……今は、そんなに嫌いじゃないけど)
僕は、作ったカフェオレを啜りながらまたソファーに座って窓の外を見た
窓の外は、ジメジメとした雨がまだ尚降り続いている
(…翔くんと雨の日に出掛ける時は、いつも傘を一つしか持っていかないから、ぴったりくっ付いて居られるんだよね///)
翔くんは、傘を僕の方に思いっきり傾けてさすから
何時も片方の肩がびしょびしょに濡れちゃって
「片側だけ湿気で余計に撫でってしまう!」
なんて、冗談を言ったりする
「ふふっ……湿気で撫でっちゃうってどゆことだろ(笑)」
僕が、翔くんの肩が濡れてしまうのを申し訳なさがるので、翔くんはそんな冗談を言うのだろうけど
その、何とも取って付けたみたいな言い訳が翔くんらしくて、物凄くかわいいし
自分が、とっても大事に愛されてるんだって思えて
…凄く、すんごく、嬉しい///
「あ〜あ……翔くん、早く帰って来ないかなぁ///」
僕は、カフェオレをテーブルの上に置くと床に座って
カフェオレを置いたテーブルの上で頬杖をついた
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