第30章 むらぴーとゆうこりんの結婚式、の巻
村上の結婚は
裕子さんが元は男の人だったから、そう言った意味では俺たちと同じだったけど
裕子さんは今は、身体も戸籍も女の人になって、ちゃんと社会的に夫婦として認めてもらえる結婚だった
でも
俺たちの結婚は、社会的には認められないもので
招待客も、(俺の)親兄弟と共通の友人が2人だけ
…その差に、何となく微妙な心持ちになってしまっているのだろう
「…智くん、愛してるよ?」
「うん」
「世界中で、一番」
「うん」
「宇宙で、一番」
「うん」
「◯◯区で、一番」(←急にピンポイントになった(笑))
「…うふっ///」
真顔でふざけたコトを言う俺を見て
智くんが可愛く笑う
社会的な構造を変えて俺と智くんの結婚を世間に認めさせるなんてこと、俺には出来ないけど
だけど
せめて、何時でも君を笑顔で居させてあげたいから…
「何笑ってんだよ〜!本当だぞ〜っ!!」
「うふふふ…解ってるよ、僕も愛してるから///」
「本当にぃ〜?」
「うん、本当に
その証拠に、今日のお夕飯も、翔くんの好物だよ♡」
「ええ〜!?何なにぃ〜♪」
「うふふ…今日はね、カレー♡」
「やったぁ!!カレーカレー♪♪」
「うふふふふ///」
着替えを済ませた俺は
大袈裟に喜ぶ俺を見て笑う君を伴って、リビングへと移動した
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