第29章 悪夢の再来、の巻
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「智くん、ごめんねなんか……智くんの方が大変な思いをしたって言うのに、俺の方がバカみたいに泣いたりして……
……情けないよね(泣)」
俺は、送ってもらった松本くんの車から降りて、自宅マンションのエレベーターに乗り込みながら
かっくしと項垂れた
智くんに、いつぞやのストーカー男の魔の手が迫っていると知って
俺は、速攻で智くんに電話を掛けた
だがしかし、智くんとは一向に連絡が取れず、俺はすっかりパニクってしまい
相葉くんのBARを飛び出し、自宅に急行したのだが、そこに智くんの姿は無く
更にパニックに陥った俺は、訳も解らずただ闇雲にギャラリーへと向かった(←やっぱ闇雲に爆走してただけなんすね(笑))
で
ギャラリーに到着して中に入ろうとしたら、鍵が掛かっていて入れなくて
そこで更にパニックに
んで
俺のパニック祭りが最高潮に達し、ソロソロ通報されてもおかしくないんじゃないかってレベルに達した所で
松本くんがやって来て、佐藤弁護士の秘書から借りてきたとか言う鍵を使って、ギャラリーの扉の施錠を解いてくれたのだ
で、鍵が開いた所でギャラリーの中に雪崩れ込み、アトリエへ直行すると
目の前のアトリエの扉の鍵が開く音がして
俺は迷わず突進してドアをオープンした
すると目の前にキョトン顔の可愛い愛しの智くんが居て、もう、そこから先は号泣しまくって
訳が解らなくなってしまった
そんでもって
我を失っていた俺の代わりに松本くんが通報してくれたので、ストーカーハゲエロ橋(←長(笑))は敢えなく御用となり
俺と智くんは、警察で簡単な事情聴取を受けた後
一緒に警察で聴取を受けた松本くんに、車で自宅に送ってもらったと言う次第だったのだ
(何から何まで松本くんのお世話になって……
……って、そう言えば、松本くん飲酒運転してね?
時間が経ってるからセーフなのか??)(←笑)
「ちっとも情けなくなんてないよ?」
己の不甲斐なさに項垂れていたのに、余計なコトが気になりだした俺に、そっと抱き付いて
智くんがうるうると瞳を揺らしながら言った
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