第29章 悪夢の再来、の巻
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「……な……」
股間を押さえたまま、わなわなと震えるその人を、じっと睨み付けながら
僕は、口で手首を縛ったロープを外した
「……例え、あんたに犯されてるビデオを翔くんが見たとしても、僕らの愛に変わりはないよ
そんな事
死んだってさせやしないけどね」
「………」
「僕はね、頭の先から爪の先まで、ぜぇんぶ翔くんのものなの
心も、魂も、全部
…だから、お前なんかのものになんか、絶対にならないよ」
「……何故……何故なんだ……ぼくは、こんなにも君を愛しているのに……」
「バカじゃないの」
僕は、自分を縛っていたロープをその人に投げつけると
出入り口のドアに向かった
「…………そんなの、愛じゃない
愛って言うのは………」
─ガチャ
「さぁああとしくぅうううーーーーんッ!!!!!(号泣)」
「おわっ!?////」
項垂れるその人を睨みながらドアの鍵を外したら
いきなりドアが開いて翔くんがなだれ込んで来た
その勢いのままに、抱き締められる
「しょ、翔くん!?////」
「うわぁあーーんっ!!智くん心配したよっ!!無事!?無事なのっ!!?(号泣)////」
「………うん……ぅ、ん///」
愛しい人の顔を見て、その暖かい腕に抱き締められたら
張り詰めていた緊張の糸が切れてしまったみたいで
僕は、「うん」と返事をしながら、ポロポロと涙を流して泣き出してしまった
「Σひょうわーーーーッ!!智くん泣かないでッ!!やっぱ何かされたの!?何かされたんだねっ!!?(号泣)////」
「ふえっ……されて、なぃけど……こわ……こわかった////」
「Σんぎゃあーーーーッ!!!智くん可哀想にぃッ!!!!!(超絶号泣)」
「ふぇえ〜〜ん、翔くぅん////」
「………あのさ」
しっかり抱き合ったまま、2人して号泣していたら
翔くんの後ろから潤くんが顔を出した
「そろそろ、警察を呼んでも良いかな?」
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