第29章 悪夢の再来、の巻
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「!!!………ど、うして……///」
「最近のカメラは精巧でねぇ、小型だし、スマホで手軽に画像も見れるんですよ」
「…か…めら…」
「ええ、この部屋にね、三台程仕掛けてあるんですよ
…どの角度からでも君の姿が見れるように、ね…」
「…………」
恐怖で
脚がガタガタと震える
逃げ出さなくちゃと思いながら
怖くて、身動きが取れない
「……こんな日を、ずっと待っていたんだよ、大野くん……」
「……あ、なた、は……………誰?///」
ジリジリと、高橋さんが僕ににじり寄る
「おや、お忘れですか?……あんなに可愛がってあげたのに……」
追い詰められて、背中が壁に到達する
「何を、言ってるの?……貴方は、誰なの…?///」
壁に着いた背中に、イヤな汗が伝う
「そんな、忘れるなんて酷いなぁ……まあ、顔も名前も変えてしまったから仕方無いかなぁ……
……でも、身体は変えてないからねぇ……
……また、君を犯したら、思い出してくれるんじゃないかなぁ……?」
「!!!!!/////」
暗く、濁った眼光に
忘れていた悪夢の記憶が鮮明に蘇る
「………あ、あなたは………まさか………」
嘗ての悪夢が
笑いながら僕に手を伸ばす
「ずうっと君を見ていたよ、大野くん……
……君が入院している時も、遠くの土地で絵を描いて居た時も……
……あの、キレた小僧に囲われていた時も……
ずっと、ずっと君だけを見ていたよ……
……言っただろう?
君じゃなきゃ、意味がないんだ、って……」
「!!!!……………やめてッ!!//////」
逃げようとする僕の腕を、あの日の悪夢の主が掴んで
僕の身体は、呆気なく床に投げ出され
…そして
「いやぁっ!!やめてぇっ!!////」
「……君は、ぼくのものなんだよ?
あの日から、ずっと……」
「ぃやぁあああーーーッ!!!/////」
あの日と同じ様に
僕の悲鳴が、密閉された部屋に虚しく響いた
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