第29章 悪夢の再来、の巻
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仕事を終えた俺は
智くんにもう一度
「ちょっと仕事の付き合いで外食するから、夕飯食べちゃっててね」
ってメールを入れて、速攻でLotusに向かった
可愛い智くんを長い時間お家に一人きりにしておくのは大変忍びないので
兎に角、出来るだけ早く松本くんから話を聞いて帰宅したいところだった
…の、だが。
「うぅ〜〜ん……………………やっぱ緊張すんな(汗)」
俺は、辿り着いたBARの扉の前に立って固まってしまっていた
仕事を終えてから速攻で来たのだから、約束の時間まではまだ一時間以上あったのだが
兎に角緊張して店の中に入れない(←流石Mr.ヘタレ(笑))
「うぅう〜〜〜ん…………………参ったな(汗)(汗)」
せっかくニノがセッティングしてくれたんだし
愛しの智くんの為なんだからそんな事言ってる場合じゃないのは解っているのだけれど
…そもそも、松本くんが何の情報も持っていない可能性もある訳で…
なんて事が頭に浮かんで、尚の事脚が竦む
「うぅうう〜〜〜〜〜ん(汗)(汗)(汗)」
「……………あんた、営業妨害してるぜ?」
「Σふぉえいッ!!!」
店の入り口前で、腕組みしてうんうん唸っていたら
めっちゃ聞き覚えのある渋い男前な声がして
俺は見事な迄にビビって飛び上がった
「ああ、悪いな
脅かすつもりは無かったんだけど」
ジェントルな感じの渋い声に振り向くとソコには…
「ま、松本くん……はやぃっすね!!(汗)」(←声が裏返った)
「まあね。今日はちょっと早めに仕事を切り上げて来たんでね(笑)」
松本くんはビビりまくる俺を見てカッコ良く微笑みそう言うと
俺の目の前のドアを開けた
「兎に角、中に入りませんか?
俺も丁度おたくに話しておきたい事があったんですよ」
「話しておきたい事…?」
「……本当は、忘れてしまいたいような事なんですがね
智の、為です
さ、取りあえず、中に。」
「…………はい。(汗)」
何だか哀愁を漂わせる松本くんに続いて
俺は恐る恐るBARの中へ入った
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