第29章 悪夢の再来、の巻
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「こんにちわ」
「おや、大野さん
今日はいらっしゃらないのかと思っていましたよ」
時間が中途半端だったんだけど、着いてから直ぐにお昼を食べるのもどうかと思い
途中で軽く食事をして来た事もあって
ギャラリーに付く頃には、もうお昼過ぎてしまっていた
それで、昨日よりも随分と遅く来た僕を見て
僕が今日はもう来ないだろうと思って居た高橋さんが、驚いた様に目を丸くした
「ええ、今日は本当は来る予定じゃなかったんですけど
昨日の描き掛けの絵をどうしても仕上げてしまいたくて」
「いらっしゃる予定では無かったのですか?」
「まあ、その……僕的には来たかったんですが(苦笑)」
「はあ?」
ハッキリしない僕の返答に高橋さんが首を傾げる
僕は、ちょっと恥ずかしいなぁと思いながら、翔くんに今日は家に居るように言われたのだとだけ説明を付け足した
「櫻井さんが、行くなと行ったのですか?」
「行くなとは言いませんが……行かない方が良いって…///」
「なんでまた」
「えっ!?……えと、その……
僕がその………た、体調が芳しくなかったもので/////」(←昨夜ヤりすぎたからとは言えない(笑))
「体調が!!」
高橋さんは僕が体調が芳しくないと言うと、大げさに飛び上がって僕に駆け寄った
「大丈夫なんですか?無理をなさらない方が良いのでは?」
「だっ………大丈夫、で、す……」
駆け寄った高橋さんが、僕の腰に手を回した時
得も言われぬ嫌悪感がザワッと全身を駆け抜けた
(な、……何だ、これ……)
どうしてだか、イヤな汗が滲んで全身に鳥肌が立つ
(…なんか……なんか解らないけど……
…………凄い、イヤな感じ………)
「大変だ、顔色が悪くなって来ましたよ!?」(←それはアンタのせいだから)
「大丈夫です///」
「いやいや、大丈夫そうには見えませんなぁ!奥の部屋で休まれては如何です?」
「平気だったらっ!!////」
何故だか解らない嫌悪感でいっぱいだった僕は、思わず声を荒げて腰に回されていた高橋さんの手を振り解いてしまった
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