第29章 悪夢の再来、の巻
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「……あ、翔くんからメールが来てる♪」
一通り家事を済ませて、一休みしようなんて思っていたら
翔くんからメールが来ている事に気付いて
僕は、すぐに愛しの旦那様からのメールを読んだ
そしたらそこには、遅くなるから夕飯は要らないと書いてあった
「……なんだぁ、今日翔くん遅いのかぁ///」
僕は、翔くんからのメールを読んで
小さくため息をついた
(只でさえギャラリーに行けなくて退屈だったのにさ…
…て言うかあの絵、今日行って仕上げちゃいたかったなぁ)
昨夜、翔くんと夜中過ぎまで仲良くし過ぎて(←笑)腰が砕けたままの状態だった僕は
翔くんに
「今日はお家でゆっくり休んで居た方が良からギャラリーへは行かない方が良いよ!ね?ねっ!?」
って、散々しつこく(←しつこくて(笑))言われたので
仕方なくお家でお留守番をすることにしたんだけど
本当は、絵を描きに行きたくてうずうずしていた
(……あとちょっとなんだけどなぁ)
元々、教授の家で描いていた描き掛けの絵だったから
昨日描いていた絵は後少しで完成するところまで描いていたので
今日は、どうしてもソレを仕上げてしまいたかった
(今日仕上げちゃったら、明日にはギャラリーに僕の絵が並んじゃう訳でしょう?)
「………///」(←自分の描いた絵がギャラリーに並んだトコを妄想中)
(…で、並んだらそれをお客様が見て…)
「………////」(←更に妄想中(笑))
自分の絵がギャラリーに並ぶ事を思い浮かべたら
益々行きたくなってしまった
「………」
時計を見ると、もう高橋さんが出勤している時間を過ぎている
(…後、仕上げをするだけだし…
翔くんが帰って来る前に帰ってくれば良いだけなんだから、大丈夫だよね…?)
「…………よし、行っちゃお///」
僕は立ち上がると、まだ怠さの残る腰を擦りながら出かける準備をした
「よし、っと…お夕飯作んないんだから、大丈夫だよね…」
僕は、自分に言い訳するみたいにそう呟くと
いそいそと部屋を出て、ギャラリーへと向かった
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