第29章 悪夢の再来、の巻
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(……やっぱ、ちょっと訊いてみようかなぁ……松本くんに)
会社に戻って、ぶっちょにしこたま怒られた後、ちゃんと真面目に(笑)仕事をしていた俺は
仕事が一段落したところで、コーヒーをすすりながら
さっき会社へ戻る時にぼんやり考えていたことを思い出していた
(マジで、ハゲエロ橋が智くんを捜している時に松本くんのトコに行ってるかもしんないしなぁ)
とは言え
智くんの元彼である彼の連絡先を、智くんの夫である俺が知る由もなく
連絡しようにもどうしようもない
(……智くんに連絡先訊いたら、まだ高橋さんのこと気にしてるのかとか言って怒られそうだし……
……う〜ん、どうしたもんかなぁ)
智くんから松本くんの連絡先を得られないとしたら、どうやって松本くんの連絡先を調べれば良いだろう
「あ、そうか!ニノに訊きゃ良いんだ!」
あの二人は同級生なんだからと思って、思わず声を出して呟いたら(←あ、自覚あるんすね(笑))
その呟きを聞いて、隣で何やら熱心にノートに書き込んでいた村上が、顔を上げて言った
「なんや、ニノくんがどないしたんや!」
「え?いや、別に…」
「時にアレや!やっぱ式にはニノくんを呼ばなアカンと思うねんけど、ニノくんの彼氏も呼ぶべきやろか!!」
村上はそう言うと、さっきから熱心に書き込んでいた手元のノートを俺に翳した
翳されたノートの表紙には
『俺と祐子ちゃんの愛のメモリー(結婚式)招待客リスト』
と書かれていた
「なんだお前、随分熱心に仕事してると思ったらそんなモン書いてたのか(笑)」
「そんなモンとは何事や!めっちゃ重要事項やでっ!!」(←でも、決して仕事中にすることではありません(笑))
「まー、そうだけどさぁ」
「なぁ、呼んだ方がええやろか?」
「相葉くん?そうだなぁ」
「…おまえ等はどうしてそう直ぐに仕事をサボるんだ(怒)」
二人してリストを覗き込んでいたら
後ろから怒れるぶっちょの声がした
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