第29章 悪夢の再来、の巻
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「あー、そうなんすか?
じゃあ、俺真っ直ぐ会社に戻りますわ」
『何を言っとるんだ!!手ぶらで帰るつもりか、このバカモンがッ!(怒)』
じゃあってんで会社に戻ると言ったら、更にぶっちょが怒り出した
「いや、だって…」
『丁度、佐藤弁護士にお願いしているコラムの原稿の期限なんだ
お前、佐藤弁護士のトコに行って、その原稿を頂いてこい!!(怒)
』
「Σ佐藤弁護士っすかッ!!!?/////」
俺は、思いがけず舞い込んできた良い口実(笑)に、思わず絶叫した
『うっ…(汗)
な、なんだ急に、大声を出して…』
「行きます行きますっ!すぐ行きます今すぐ行きますッ!!てかぶっちょ有り難うッ!!!もう、大好きッ!!!!////」(←笑)
『…は?(汗)』
俺は何のこっちゃと言わんばかりの声を上げるぶっちょに、もう一度好きだぜと叫ぶと
携帯をポケットに突っ込んで、佐藤弁護士の法律事務所へダッシュした
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「これはどうも、櫻井さん」
「どうも、お久しぶりです、佐藤さん」
棚からぼた餅的な口実(笑)を得た俺は、速攻で佐藤弁護士の法律事務所へ到着すると
ちゃんと事前に部長が話しを通してくれていたらしく
待たされる事無く佐藤さんの部屋に通された
そこで佐藤さんから原稿を受け取りながら、俺はさり気なくギャラリーの話を切り出した
「そう言えば、今日からうちの大野が佐藤さんのギャラリーで絵を描いているんですよ」
「ええ、高橋から聞いております」
「そうですか
時に、どう言った経緯で高橋さんをお雇いになって、あのギャラリーをお任せになることを決めたんですか?」
それを聞いて、佐藤さんは笑いながら手を机の上で組むと言った
「はははは、櫻井さんはそんなに高橋がお気に召しませんか?(笑)」
「いや、その…一応、うちの大事な大野を預けるからには、ちゃんと素性を知っておきたいと思いまして…」
「そうですか……良いですよ、お話し致しましょう」
そう言ってにっこり笑うと
佐藤さんは、高橋さんに出会った時のことを話し始めた
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