第29章 悪夢の再来、の巻
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「あ〜〜……………………心配だ。」
俺は、半ば追い出されるようにして後にしたギャラリー佐藤を振り向いて眺めながら呟いた
「智くんは大丈夫だって言うけど、どうにも胡散臭いんだよなぁ……あのハゲエロ橋」(←通称に“ハゲ”が追加されてるし(笑))
第一、あのおっさんはアソコで何をやっているんだろうか?
事務的なコトかな?
ギャラリーに来る客の接客的なコトをさせるなら、綺麗なお姉さんとかのが良い気がするし…
(……佐藤さんは、何であの胡散臭いおっちゃんを雇ったんだろう?)
「…………
…………
…………
…………解らん。」
あのおっさんが、有能な弁護士である佐藤さんのギャラリーを任されている事に
俺は、どうしても納得が行かなかった
「う〜ん……………あ、そうか
佐藤さんに聞いてみりゃ良いんだな?」
とは、思ったものの
何のアポもなく、多忙な佐藤さんがそうそう会って話を聞いてくれるとは思えない
「んん〜〜…………………ん?」
何か良い口実は無いだろうかと頭を捻っていたら
ポケットの中の携帯が鳴り出した
「Σげっ、ぶっちょだ!(汗)」
取り出した携帯に、ぶっちょの文字。(←てか、“ぶっちょ”で登録してんすか?(笑))
俺は、いっそ出張先の海外に永住しちまえば良かったのにとかブツブツ言いながら(←こらこら)電話に出た
「あー、もしもし、櫻井っす」
『櫻井っすじゃない!(怒)仕事もせんとお前は何処をほっつき歩いてるんだ!!(怒)』
仕事を放置して智くんの所に行っていたので、当然仕事は済んで居ないわけで
どうしたコトかそれがぶっちょにバレたらしく
ハゲしく怒られた
「いや、ちょっと野暮用が…」
『ヤボ用もクソもあるかっ!!仕事をせい、仕事をッ!!(怒)』
「あー、はいはい、申し訳ありませんです、はい。」
『全くもう…』
てけとーに誤る俺に、ぶっちょは呆れたようにため息を付くと続けて言った
『お前があんまり遅いんで、先方には予定通り村上に行ってもらったからな!』
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