第28章 智、画家になる!?、の巻
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(まずい、まずいぞ
コレはひっっじょーにマズいッ!!)
俺は可愛い危機感ZEROの奥様を抱き潰しながら
大いに焦っていた
佐藤さんの提示した条件は、智くんにとっては申し分のないものだったし
智くんの為に新たに揃えたと言う真新しい画材も、智くんは気に入っているみたいだった
だから、智くんが乗り気なら、このまま話しを呑んで契約しても良いんじゃないかと思ったんだけど
一つだけ、大いなる問題があることが発覚した
(このエロオヤジと智くんが二人きりになるなんて、ぜってー有り得ないっしょッ!?)
俺は、泡を食う俺に抱き潰された智くんを
エロいことこの上もない目つきでニタニタ見ているおっさんを睨み付けた
「うちの高橋が、何か粗相を致しましたでしょうか?」
佐藤さんが、首を傾げる
俺は、智くんを腕に抱えたまま叫んだ
「顔がエロいっす!!」(←そうでなく。)
「もぅ、翔くんたら何てコト言うの?失礼でしょ(苦笑)」(←ですよねー。)
「だって事実だもんっ!!超エロいもんッ!!!」(←だから、そうじゃないでしょうよ)
「翔くん!」
ジタバタと暴れながらおっさんの顔がエロいと主張する俺を見て
智くんが、可愛く怒った顔をした
「何でそんなコト言うの?翔くん失礼過ぎるよ!!///」
「でへ?///」
後頭部に「ぷんぷん」って吹き出しが見える様な可愛い怒りっぷりに、思わず顔がデレる
ソレを見て、智くんが益々可愛く怒り出した
「んもー!翔くんたら真面目に聞いて!!///」
「だって智くんが可愛いから…///」(←笑)
「翔くんったら……もう、良いよ!////」
智くんはそう言うと、俺の胸をグイッと押して俺の拘束(笑)から脱出した
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