第28章 智、画家になる!?、の巻
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「随分賑やかですな」
しばらくの間、そんなコトを繰り返してわぁわぁ騒いでいたら
用事を済ませたらしい佐藤さんがアトリエにやって来た
「す、すいません///」
「いや、謝られる事など無いですよ(笑)」
自分を抱き潰す翔くんの腕から何とか脱出(笑)して僕が謝ると
佐藤さんはそう言って爽やかに微笑んで、沢山並べられた画材を手に取った
「どうです?気に入って頂けましたか?」
「はい///」
「先程のお話の続きですが」
佐藤さんは手に取った画材を机の上に戻すと、真面目な顔をした
「私共の考えとしては、大野さんにこのアトリエで制作をして頂いて、出来上がった作品を、そのまま表のギャラリーに展示させて頂きたいと思っております
勿論、期限などは一切設けません」
「そうですか…ココに来るのは、定期的じゃなくても構わないんでしょうか?」
「ええ、勿論、大野さんの都合の付く時だけで構いませんよ
ただ、セキュリティーの問題上、高橋の居る時間帯に限らせて頂きたいとは思いますが…」
「ちょちょちょちょちょっ……ちょっと待った!!(汗)」
佐藤さんの話の途中で、それまで黙って腕組みをしながら話を聞いていた翔くんが
焦った様に声を上擦らせながら話に割り込んで来た
「はい、何でしょう?」
「たたたた高橋さんが居る時間帯って……たかたか高橋さんと智くんが2人きりになるって事ですかっ!?(汗)」
「まあ、そうですね…高橋がアトリエに入る事はそうそう無いでしょうが
大きい意味で言えば、そうでしょうね」
「Σの゙ーーーッ!!!」
翔くんは、佐藤さんの答えを聞くと、奇声を発して仰け反り
僕をまたムギュッと抱き潰した
「ぜっっっ…………たい、ダメぇえーーーッ!!!(号泣)」
「………(汗)」
「はあ?」
佐藤さんは、泣きながら叫ぶ翔くんを見て
不思議そうに首を傾げた
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