第28章 智、画家になる!?、の巻
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「こちらが工房になっております」
高橋さんに連れられて奥に行き、廊下の突き当たりの扉が開かれると
広い部屋が見えた
ソコには、キャンパスやらイーゼルやらが無造作に置かれていて
部屋の端に並べて置かれた長い机の上には、所狭しと画材が並んでいた
「わぁ……すごぃ///」
並べられた画材を見ながら僕がため息をつくと
高橋さんがその僕の横にススッと近付いてきて、同じ様に画材を覗き込んだ
「普段は、絵の修復なんかをしている部屋なんですがね
社長が、大野さんに好きに使ってもらえる様にと、新たな画材を揃えたんですよ」
「ほうほうほう!そりゃーご丁寧に有り難いコトですな!!(怒)」
翔くんは、ぴったり僕に張り付く様に並んだ高橋さんを押し退けると
何だか怒った様な声を出して高橋さんを睨んだ
「どしたの?翔くん」
「どしたのじゃないよ智くんッ!!///」
「まあまあまあ、仲が良いほどっては言いますが、喧嘩はいけませんよ?」
「喧嘩なんかしてねぇよ!!てかしたことねぇよっ!!(怒)」(←ありますよ、一回だけですが(笑))
翔くんは、何故だか益々怒って、僕を高橋さんから遠ざける様に背中に抱えた
「んもぅ、翔くんたら…高橋さん何にもしてないのに、怒らないで?」(←全く自分が狙われているかもと言う意識がない嫁)
「してるでしょうがッ!!(泣)」(←危機感ZEROの嫁を持って気苦労の絶えない撫で旦那)
「まあまあまあまあ喧嘩しないで…そんなに怒鳴ると大野さんがお可愛そうですよ?」(←どさくさに紛れてさとちを抱きかかえるエロおやじ)
「お前に怒鳴っとんのじゃッ!!!(怒)」(←嫁奪還)
「あぁん///」(←抱き潰されて色っぽい声を出しちゃう嫁)
「お〜……(ごっくん)」(←ソレを見て生唾を飲み込むエロおやじ)
「ああ〜っ!もぅッ…////」
翔くんは、抱き潰された僕が出した情けない声に、がっくりと項垂れてため息を付いた
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