第28章 智、画家になる!?、の巻
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(…なんかちょっと…イヤな感じだなぁ…)
奥に引っ込んだ高橋さんを見て、ちょっと不安な気持ちになっていたら
翔くんが僕をむぎゅっと抱き締めて、高橋さんが入って行ったギャラリーの奥の方を睨み付けた
「あのエロオヤジ……完全智くん狙ってんな(怒)」
「え?」
「良い?智くん
間違ってもあのおっさんと密室に2人きりとかになっちゃダメだよ?」
「?……うん」
何時どんな時に、密室に2人きりなんかになるんだろう?
とか思って首を傾げたら
高橋さんが奥の部屋から戻って来た
「いやいやどうも、お待たせ致しました
社長ですが、お二人が見えているなら、都合を合わせると仰いまして
一時間ほどで此方にいらっしゃるそうですよ」
「そうですか
では、それまで此処で待たせて頂いても良いでしょうか?」
「どーぞどーぞ、ごゆっくりヤってて下さい
今お茶をお持ちしますわ」
「あ〜、お構いなくぅ〜!」
(ヤってて…?)
再び奥に入って行く高橋さんに、ちょっと間延びした声をかける翔くんの背中に隠されながら
高橋さんの変な物言いにまた首を傾げる
その僕を再びむぎゅっと抱き締めて
翔くんが唸りながら言った
「くっそ〜……あのエロオヤジめぇ……ぜってー狙ってる、て言うか油断ならねぇ(怒)」
(狙ってる?……って、何を??)
何の事を言っているんだろうって思ったていたら
翔くんが抱き締めた僕を更にぎゅうぎゅうと抱き潰した
「あー心配だ、もう心配だッ!!」
「んん〜何の話しぃ?///」
「何の話して智くん…」
「だって解んなぃんだもぉん////」
「Σひーッ!!
智くんちょーカワユスッ!!!/////」
「んぅっ////」
何でなのか、急にまた感極まってしまった翔くんに息が出来ないくらい抱き潰される僕(←息が出来ないて(苦笑))
(…あ。)
苦しいんだけど、嬉しい…けど、苦しい
なんて思って悶えていたら
壁に隠れて僕を見ている高橋さんと眼が合った
高橋さんは僕と眼が合うと、舌なめずりをしながらニヤリと笑って
スッと壁の向こうへ引っ込んでしまった
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