第28章 智、画家になる!?、の巻
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「今日は2人でギャラリーの見学に来たんですけど
佐藤さんが見える予定とかは無いですか?」
「ああ、社長ですか?
そう言えば今日丁度修復した絵を取りにいらっしゃると仰ってましたな
…いつ頃お見えになるか、確認をしてみましょうか?」
「ええ、お願いします」
「解りました
では、どうぞ中でごゆっくりなさっていて下さい」
そう言うと高橋さんは、高級そうなアンティーク調のドアを開けて、僕らを招き入れるようなジェスチャーをした
「「お邪魔しまぁす」」
「Σ息ぴったり!!」
何時も通り(笑)声を揃える僕らを見て、また大袈裟なリアクションを取る高橋さん
(……なんか、劇団とかの人みたい(笑))
一々大袈裟な高橋さんを見て、思わず笑いが込み上げる
で
ついクスッと笑ってしまったら、それを見て高橋さんが、ペロリと舌なめずりをした
「………(汗)」
その、余りにもいやらしい仕草に、背筋がゾクッとした
僕は、何だかちょっと怖くて、思わず翔くんにぎゅっと抱き付いた
「?……智くん、どうしたの?」
「ん〜………ぎゅってしちゃ、だめ?///」
「んふふふ///
ダメな訳ないっしょ〜♡」
「えへへへ///
翔くんだいすき♡」
「俺も智くんどわぁ〜い好き♡」
「僕なんか翔くんどわぁああ〜〜い、好き♡」
「俺だって智くんどわぁああぁあ〜〜〜ッゲホゲホ(汗)」(←長く言おうとして息が続かず咽せた)
「んふぅ、しょーたんの負けぇ♪」
「なんの!智くんを想う気持ちは負けてへんで!!」(←何故関西弁)
「なんのなんの!僕のがいっぱぃ想ってるでぇ!」(←釣られて関西弁になる人)
「なんのなんのなんの!!俺のがいっぱいいっぱい…」
「ほうほうほう……なる程ねぇ」
結局、また何時ものヤツに突入してしまった僕らを
やっぱりなんだかいやらしい目つきで見ながら
高橋さんはブツブツ「そうかやっぱりか」とか言うと、佐藤さんに連絡を取るために、ギャラリーの奥へと入って行った
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