第28章 智、画家になる!?、の巻
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「わぁ……結構大きいねぇ///」
「だよねぇ、なんかモダンだっつうか、綺麗だしさ」
「うん……なんか、緊張して来ちゃった////」
今日は、土曜日
と、言う訳で
僕と翔くんは、デートを兼ねて「ギャラリー佐藤」に来ていた
そんで、思っていたよりも立派な佇まいに、自分の絵がこんな所に飾られるかも知れないって思ったら
何だか妙にドキドキして緊張して来てしまった
「緊張って(笑)
まだ決めた訳じゃなでしょ?」
智くんてば可愛いんだから、なんて言いながら、泣きそうな顔をした僕の頭を撫でる翔くん
僕は、そんな翔くんの腕に甘えて絡みつきながら言った
「だってさ、こんな立派なギャラリーから声が掛かったんだって思っただけでもぅ…///」
「当然だよ〜
智くんの描く絵、素敵だもん♡」
「そっかなぁ〜?////」
「そーだよ!
描いてる智くんは、もっと素敵だけど♡」
「いゃあん、翔くんたら////」
「うぅ〜ん、智くんてばマジ今日も可愛いんだからぁ♡」
「んもぅ、しょーたんたらぁ♡」
「さとちぃ♡」
「しょーたん♡」
「おや?どちら様かと思えば、大野さんと櫻井さんじゃあーりませんか!」
ギャラリーの前でイチャイチャ何時ものヤツに突入しかかったら
ギャラリーの中からこの前僕に名刺をくれた男の人が出てきて
イチャツク僕らを見て、大袈裟に目を丸くした
(えっと……高橋さん、だっけかな?)
「あ、どうもこんにちわ高橋さん」
名刺に書いてあった名前を思い出していたら
僕を片腕に抱いたまま、翔くんがその人に挨拶をした
「いやいや、どうもこんにちわ
お二人揃っておいでとは……そうですか、ふんふん……やっぱり、そうですか…」
高橋さんは、何やらブツブツ「そうかやっぱりか」とか言いながら
僕を何だかいやらしい目でちろちろと見た
(何がやっぱりなんだろう?)
ていうか、何だかいやらしい目つきで、ちょっとイヤだなぁって思っていたら
翔くんがスッと僕を背中に隠した
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