第28章 智、画家になる!?、の巻
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佐藤弁護士が大切に所持していると言う智くんの描いた絵が、智くんのお母さんを描いたものだったと言う事は
正直言って、かなり衝撃的な事実だった
他の絵ならまだしも、あの、智くんそっくりな絵を大事に所持していて
尚且つ、智くんのビジュアルを知っていたのだとしたら
やはり、智くんの画力のみならず
智くん自身も込み込みで、「パトロン」になると申し出たのだと考えるのが妥当だろう
そうなって来ると
やはり、すんなりハイそうですかと言うわけには行かない
そんな事を悶々と考えながら帰宅したら、何故か智くんのお出迎えがなく
俺は焦ってリビングになだれ込んだ
するとソコには、テーブルにうつ伏せて眠っているマイ・スウィート嫁の姿が
どうしたものかと更に焦ったものの、泣き寝入りした訳では無さそうだし(←以前にそんな事があった)
具合が悪くて寝ているのかもと思い、そっと智くんを揺り起こすと
智くんは可愛く目をぱちくりさせながら目を覚ました
目覚めた智くんに何故こんな所で寝ていたのかを問うと
考え事をしていたら寝てしまっただけだと言った
(……考え事ねぇ)
やっぱり、例の話を受けるか否かで悩んでいたのだろうかと思いを巡らせていた俺は
夕飯後、智くんを捕まえて考え事の内容を聞き出し
なんと、ニノのお爺さん宅で佐藤弁護士に会ったと言う
更に、衝撃的な事実を聞かされることとなった
しかも、佐藤弁護士がイケメンだったかとの問に可愛く頬を赤らめる智くん
んで
俺☆MAX嫉妬なぅ!状態に…(←何かテンションが違わないですか?)
そんなジェラシーを燃やしまくる俺を見て、真っ赤になった顔に可愛い微笑みを浮かべた智くんが
俺の拗ねて突き出された唇を摘んで
キスをしてくれた
「………僕ね、翔くんが乗り気じゃないなら、佐藤さんからの話を断るから」
「………ひぇ?」
「僕にとってはね、翔くんとの今の生活が、一番大事なの…
…だから、嫌なら嫌って言って?」
智くんは優しく微笑みながらそう言うと
俺の唇を摘んでいた手を離した
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