第28章 智、画家になる!?、の巻
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(そっか、じゃあこの人が智くんを訪ねて来た人なんだな?)
俺は、若干禿げているそのおっさんをマジマジと見た
(………智くんの絵を気に入ったって言うオーナーは兎も角………このおっさんはまた、スケベを絵に描いた様な顔してやがんな(汗))
営業スマイルのつもりなんだろうけど、ニヤニヤ笑っている顔が、如何にも
「スケベ親父」
って感じだ
(…………何か、不安だ(汗))
「ん?櫻井さん?どうかされましたか?」
余りにもガン見し過ぎたんだか、高橋さんが訝しげに首を傾げた
「あー、いや、すみません(汗)
ところで、ココで売買されている絵の作者の画家さんは、どうやって発掘されてるんですか?」
「ええ、主に社長が美大の展覧会なんかを見に行って、これと思う絵を描いた学生に声をかけたり
蚤の市なんかで出回っている絵で、良い物を見つけたらその作者を探してコンタクトを取ったりなんかして見つけて居るんですよ
まあ、蚤の市の作者不明の画家の絵なんかは、その作者を捜すのは私の役目なんですがね(笑)」
「はあ、そうなんですか」
(それでこのおっさんが智くんトコに来た訳だな?)
「いや、実は今も口説いている途中の画家さんが居ましてね?」
高橋さんは訊いても居ないのにそう言うと、いやらしくグフグフと笑った