第28章 智、画家になる!?、の巻
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「翔くんが謝るコトじゃないのに///」
僕は、何故だか僕に謝る翔くんの顔を見上げた
その見上げた顔を翔くんの手が捕まえて、ゆっくりと優しいキスが降りてくる
「ん……///」
「………俺と一緒になったからには」
翔くんは、キスした唇を少しだけ離すと、甘く掠れた声で囁いた
「……一緒に、なった、からには…?///」
「…一緒になったからには、ね?
ほんの一瞬だって、智くんに悲しい思いをさせたくないんだ」
「翔くん…////」
「智くん…」
翔くんの、熱い唇が僕の唇を優しく啄む
その暖かさに、優しさに
冷えた心と体がほんわかと解されて行くみたいだ
そして
蕩ける様な甘い囁きと
蕩ける様な甘い微笑みに
疼きかけた悲しみは
いつの間にか、キレイさっぱり消えてしまって
僕を、得も言われぬ幸福感だけが包んでいた
(ああ……………僕って、本当に………
………幸せ者だなぁ////)
なんて思ってキスに夢中になっていたら
翔くんがもぞもぞと腰を揺らして、ちょっと上目遣いに僕を見た
「………ね、あのさ智くん………
……腹は減ったんだけどさ………
………先に、智くん食べてもいい?///」
「うふふっ……だぁめ////」
「えぇ〜?なんでぇ〜!!////」
「んふふふふ////」
僕はクスクス笑いながら翔くんの体をそっと押し戻すと言った
「だって、お夕飯作らないとならないから、ゆっくり出来ないでしょう?
……僕、どうせなら……じっくり愛して欲しいもの////」
「Σひぃーーッ!!智くんカワユスッ!!!/////」(←また突然感極まる旦那)
「Σきゃっ!!/////」(←そしてまた突然襲われる嫁)
結局、僕の要望通り、翔くんがじぃ〜〜〜っくり僕を愛してくれたので
その日の夕飯は
出前になった(笑)
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