第27章 にのあい舞妓茶会事件!、の巻
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「…………ここで良いです」
「ほんとに?公園まで行かないで平気?///」
「平気ですって(笑)」
「でも…///」
「平気だって智くん!」
「…お前が言うなや、エロ撫で旦那」
雅紀からの電話を切った後
程なくして、事情を聞いた櫻井さんがすっとんで来た
それから、ついでだから拾ってきたタクシーで俺を公園まで送ってくれると言うので
俺は、取り敢えず例のカフェまで送ってもらったのだ
「ニノ…」
「ちょっと一人で歩きたいんすよ」
「…そう…解った、気を付けてね?///」
「ええ。…じゃ、行きます」
「うん///」
俺は心配そうな大野くんに見送られて、カフェの前から雅紀が待っているであろう公園へ向かって歩き出した
(………なんか、懐かしいなぁ)
歩きながら
初めてのあの夜のことを思い出す
ナンパな雅紀に勝手に腹を立ててカフェを飛び出して
…車にひかれそうになって
それを、雅紀に助けてもらって
キスをされた
(……あー………ここだわ(苦笑))
その現場(笑)まで来て、甘酸っぱい笑いが込み上げる
(……あいつ、相当遊んでやがったよな……超上手かったもんな……キス)
今でも超上手いけど
なんて思いながら、公園へ向かう
そして、そこから数分歩くとその公園が見えて来た
(……やっぱ、同じベンチに座って待ってんのかな?)
激しく唇を奪われて腰砕けになった俺を抱きかかえて
あの日「さっきの続き」なんて言って、この公園に連れ込まれた俺は
そのベンチで、更に激しく唇を奪われた
そして、その後俺をマンションまで送った雅紀が、結局のところ送り狼になって
…俺は、俺の初めてを雅紀に奪われたのだ
(……奪われたって言うか……一応、同意の元ではあったけどね)
「ニノ!」
「!!///」
ぼんやり考え事をしながら公園の中に入って行った俺を
愛する人の声が呼んだ
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