第27章 にのあい舞妓茶会事件!、の巻
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「………てか、初めてしたの公園じゃねぇし」
『あ、そっか、路上だ(笑)』
「あそっかじゃねぇよ、このサル」
『あははは』
何時もと同じ雅紀の笑い声
…俺はふと、イヤな猜疑感に駆られた
(………また、無かったコトにするの……?)
一旦消えていた胸の痛みが、再燃する
(……そうやって、全部有耶無耶にして……何もない顔するつもりなのか……?)
『………俺さ、ずっと考えてたんだ』
「………え?」
どうしようもなく、不安な気持ちが湧き上がって来たら
雅紀が、低い声で話し始めた
それは、何時もの明るいおちゃらけた調子ではなく
真剣そのものと言った響きを放っていた
『ニノと、初めて逢った時から、今日までの事……ニノに出逢った場所で、ずっと考えてた』
「…………」
『俺さ、ニノに言わなくちゃなんないコトがあるんだ』
「…………」
(……言わなくちゃ、なんない、コト……)
それは恐らく、俺が
一番、聞くのが怖くて
一番、聞きたい
…例の、浮気の一件だろう
『……あの公園で待ってるから……今から、俺の話し、聞きに来てくれないか?』
「…………」
『………ニノ?』
「解った!絶対に僕が連れてくからっ!!/////」
聞きたいけど、聞きたくない
そんな想いが駆け巡り
何も答えられずに押し黙っていた俺の代わりに
ずっと電話を俺に張り付いて聞いていた大野くんが、大量の涙を流しながら答えた
『…へ?…おーのくん??』
「…………(笑)」
当然、俺1人だと思っていた雅紀は驚いた様子で、素っ頓狂な声を上げた
俺は、ぐすぐす言って泣きじゃくる大野くんの背中を擦りながら言った
「行くよ、ちゃんと………1人で(笑)」
『良いけど……おーのくん、大丈夫?なんかめっちゃ泣いてない?』
「大丈夫だよ、今、エロ撫で旦那を迎えに来さすから(笑)」
「なんだよぅ、エロ撫で旦那ってぇ/////」
『…解ったよ、じゃあ、待ってるから(笑)』
「……うん」
俺は雅紀からの電話を切ると
盛大に泣き続ける大野くんを迎えに来さす為に、撫で旦那に電話を入れた
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