第27章 にのあい舞妓茶会事件!、の巻
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「いやぁ、本当に……申し訳ありませんでした(汗)」
レストランの中に入って、案内された席に着くと
向井さんがさっき僕が話していた人だと解り、落ち着きを取り戻した翔くんが
改めて、向井さんに謝った
「いいえ、お気になさらないで下さい
櫻井さんの事も、カズから聞いて居ましたから(笑)」
「そうなんですか。………………ん?」
「…………」
ニノから翔くんの事は聞いていたと言われ、微妙な顔で首を傾げる翔くん
僕はそんな翔くんの隣で、翔くんと逆に、どんどん落ち着きを無くしていた
「あの〜…二宮くんは、僕の事なんて…?」
余程気になったのか、散々首を捻った後、翔くんが向井さんに訊いた
「いえ、まあ……大野さんの、旦那さんだとか…そんな様な事を(笑)」
「………」(←絶対もっと何か言ったよなと思っている)
「………」(←気まず過ぎて何も言えない)
僕は、益々首を傾げる翔くんの隣で、胸に顎が付いちゃうくらいに俯いて
忙しなくお絞りを丸めていた
「………ところで」
その、無意味に小さく畳まれたお絞りを僕の手から取り上げて
変わりに空いた手をキュッと握って翔くんが言った
「さっきも名前が出ましたが、二宮くんとは親しいんですか?」
「!っ…///」
思わず顔を上げた僕を見て、翔くんが優しく微笑む
向井さんは、そんな僕らをにこやかに笑って見ながら答えた
「ええ。カズとは……言わば、家族みたいなものですから」
「「家族?」」(←キレイに声が揃っている)
「ええ(笑)」(←ちょっとツボらしい)
向井さんは僕らを見て、クスクス笑いながら話を続けた
「実際、僕とカズは籍がバラバラなので、法律上は他人ですけどね
でも僕は、カズの事を掛け替えのない家族だと思っています」
「そ、んな………」
眩しい笑顔を振りまきながら、ニノの事を話す向井さん
その笑顔は、本当に大好きな人のことを話しているのだと伺わせている様で
僕は、また目頭の辺りが熱くなるのを感じた
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