第27章 にのあい舞妓茶会事件!、の巻
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「どうも、はじめまして
二宮くんの友人の、向井と申します」
「はじめまして、僕は大野です
ニノとは結構古いつきあいで…」
「ええ、知ってますよ
カズが……あぁ、失礼、二宮くんが何時も貴方のことを自慢気に話してくれますから(笑)」
向井と名乗ったイケメンシェフさんはそう言うと
相葉ちゃんに負けず劣らない爽やかな笑顔で微笑んだ
一時間早く待ち合わせた僕とニノは
直ぐにたぁちゃんちに向かって、ニノが手配した(実際に手配したのは景山さんだけど(笑))人に
京都の時と同じ様に着付けをしてもらい、お化粧をして、カツラも付けてもらった
ニノは「あの時と同じだ」と言って終始ご機嫌で
お茶会が始まる時間まで、ずっと鏡の前ではしゃいでいた
…今思えば
そのはしゃぎ具合も、京都の時とは何処か違っていたのだけれど
僕はその時はまだ、その事には気付いていなかった
僕が、ちょっと「あれ?」っと思ったのは
ニノがゲストに呼んだ「向井」さんと言うシェフさんに会って、自己紹介をした時だった
(……今、ニノのコト“カズ”って呼んだ…?)
僕は、ニノを“カズ”と呼んで、わざわざ“二宮くん”と言い直す向井さんに、違和感を覚えた
「てか理!何だよ“二宮くん”て。
何か気持ち悪いから、何時も通り“カズ”で良いよ」
何だかヘンだなぁ、なんて思っていたら
ニノが、使用人の男の子が運んできたお茶をテーブルの上に並べながら
向井さんに言った
「でも、良いのか?
彼氏に、よその男に“カズ”なんて呼ばせてるのがバレても?」
「別に構わないよ
てか、この人はそんな告げ口しませんし
ね?大野さん」
「え?………う、うん…」
(……何だろう……なんかニノ……ちょっと、様子がヘン…?)
向井さんに対する受け答えが、何だか何時ものニノと違う
…具体的に何処がとかは解らなかったけれど、そう感じた僕は
何故だか
凄く落ち着かない気持ちになっていた
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