第27章 にのあい舞妓茶会事件!、の巻
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「んじゃ、行って来るね」
「うん、行ってらっしゃい♡」
たぁちゃん発案の、舞妓茶会当日の朝
僕は、何時も通り玄関で行ってらっしゃいを言うと翔くんに鞄を渡した
翔くんは、僕から鞄を受け取ると、急に真顔になって僕の肩に手を置いた
「いい?智くん
ちゃんと電話報告忘れないでしてよ?」
「解ってるよ、ちゃんとします(笑)」
「絶対だかんね?」
「うん、絶対ね?」
─ちぃうっ♡
「ん〜……もいっかい♡///」
「翔くんたら、また…」
「良いじゃあんっ!舞妓茶会許すんだからぁっ!!///」(←どんな理由だよ)
「仕方がないなぁ////」(←仕方無いの?)
─ちぃうぅっ♡
「んはっ////」
「ぅをーッ!!仕事行きたくねぇッ!!////」(←アナタ毎朝ソレ言ってません?)
「だめぇ、ちゃんとお仕事して!///」
「だってだって智くん、だってッ!!////」(←駄々をコネるアラサー)
「…僕、舞妓さんの格好のままで帰って来てお出迎えしてあげようと思ってたのに、止めようかなぁ…」
「行って来ますッ!!////」(←敬礼してます)
「行ってらっしゃい♡」
翔くんは舞妓はんやっふぅとか言いながらドアを開けると
絶対電話してねと言い残して会社へ向かった
「うふふ……翔くん、かわぃ///」
僕は、ピョンピョン跳ねるように遠ざかって行く背中が見えなくなるまで見送ると
部屋に戻って、家事を済ませた
「…さて、そろそろ行こうかな?」
一通り家事を済ませた僕は、何時もより一時間早くお家を出た
(着付けがあるから一時間早く来いだなんて
ニノったら、余程舞妓さんの格好が気に入ったんだろうな(笑))
本来なら、多分たぁちゃんにあんな提案をされたら
「何言ってやがんだ、このエロじじぃ(怒)」
とか、言いそうなトコロなのに
ノリノリでゲストまで呼んじゃったニノ
僕は、ニノがそんなコトをするのは
舞妓姿が気に入っていたからだと思っていた
でも
実際は、ちょっと違っていた
僕はニノの、その、言わばちょっとした出来心に
お茶会へ行くまでは、少しも気付かずにいた
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