第26章 そうだ、京都へ行こう。の巻
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「……さて、櫻井さん」
智くんがいそいそと着替えを持って奥の部屋に入って行くのを見届けると
ニノが急に真顔になって低い声を出した
「な、何だよ」
「早々に帰ってもらいましょうか?」
だいぶ酔いが冷めてきたのか
部屋に乱入して来た当初、泥酔していると言っても過言ではない様子だったニノは
まだ赤い顔はしていたものの、ハッキリとした口調で言った
「か、帰るったって、もう今からじゃ遅いから…
それに、新幹線だってもう無いだろうし…」
「俺がタクシー代立て替えておいてやりますから、とっとと帰って下さい」(←出すんじゃなくて立て替えてんのね(笑))
「ば、バカ言うなよ!京都から東京までタクシー代幾ら掛かると思ってんだ!?」
「知りませんよそんなもん。」
「おま…」
「邪魔すんなって言ったのに!///」
ニノは思い切りほっぺを膨らますと可愛く上目遣いをした
「………へ?」
「俺がどんだけ大野くんとの水入らずの二人旅を楽しみにしてたと思ってんだよ!////」
何時もよりも真剣に、必死に訴えるニノに
俺、若干引く(←笑)
「い、いや……ニノ?(汗)」
「確かに大野くんはお前の嫁かも解んないけどな!俺にとってだって掛け替えのない親友なんだぞっ!!たまには二人っきりでイチャイチャさせろやっ!!!/////」
「あ、いや……イチャイチャっつうのはちょっと…(汗)」
「……ニノ/////」
ニノの余りの剣幕に引いていたら、着替えを終えた智くんが奥の部屋から戻って来た
真剣な顔で俺に文句を言うニノを見て、何故だかうるうると瞳を潤ませている
「ごめんね、ニノ……二人旅しようって約束したのに…////」
「大野くんが悪いんじゃありません!この撫で肩の辛抱が足りないのかイケないんですっ!!」
「翔くんを悪く言わないで!僕がちゃんと説得出来なかったのが悪いんだものっ!!/////」
智くんはそう言いながらニノの前に膝を付いて座ると、その手をガシッと握った
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